平成19年10月19日、公正取引委員会は、アリコジャパンに対し、「元気によくばり保険」と称する生命保険(医療保険)に係る表示について,景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)の規定に違反する事実が認められたので,同社に対して,排除命令を行いました。
(平成19年10月19日、
報道発表資料 )
今回の排除命令は、公正取引委員会の報道発表資料にもあるとおり、「元気によくばり保険」の広告において、上皮内新生物に罹っていると診断され、かつ、その治療を目的とした入院中に所定の手術をしなければ給付されない「上皮内新生物」に対する診断一時金60万円を、あたかも入院しなくても給付されると誤認させる広告を出していたということによるものです。
上皮内新生物は,一般に早期のがんといわれ,その治療は切除手術によることが一般的であるところ,近年,内視鏡による切除手術が主流となっており,医療機関においては,患者を入院させることなく日帰りで切除手術することが多くなっているのだそうです。
つまり、
入院中の手術が上皮内新生物に対する診断一時金の給付条件であることが分かれば、その一時金を受け取る可能性が非常に低くなり、魅力に欠ける特約であることを消費者が判断する助けとなるものを、その判断を妨げるような広告となっていた、というものです。
公正取引委員会は、このような上皮内新生物・診断一時金の給付条件である入院中の手術を、広告内で目だたない記載としていたことに悪質性を見いだし、今回の排除命令につながったのではないかと思います。
通販商品は、対面販売を行う商品以上に、消費者に正しい選択を促す適正な広告が求められているはずであるのに、アリコは消費者の信頼を裏切ったことになります。
今回の排除命令の影響でしょうか、
払った保険料が全額戻るというアリコの終身医療保険「
リターンズ」の広告にも、
「所定の期日(生存還付給付金算定期間の満了時)に生存されていれば、払込保険料相当額からそれまでに受け取った健康ボーナス・入院等の給付金を差し引いた金額のリターンボーナスが受け取れるので、支払った保険料相当額が全額戻ってきます。」、
「
リターンボーナスの受取時期前に解約された場合の受取額は、払込保険料相当額を下回ります。また、死亡された場合も、契約当初を除き払込保険料相当額を下回ります。」という記載が見やすいところにありました。
払込み満了前に解約したり、あるいは死亡したりすると、全額戻ることを期待して、それまで割高な保険料を払ってきたことが無駄になる、ということを明示したことは良いことだと思います。
(*払い込み保険料の全てが無駄になるとの記載をしているものではありません。)<<関連記事>>
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