民間介護保険契約者が負担している保険料のうち、何パーセントが介護保険金(給付金)として戻ってくるかを、自己流の方法で調べてみました。
A社介護保険(終身保障、終身払い)商品を例に調べた結果、保険料のうち、約「2%」が介護保険金(給付金)として戻ってくる、という結果になりました。
同社介護保険の原価率は、2%という結果になりました。
残り98%が、保険会社経費あるいは利益となっているということになります。
他の生保商品では、数十%の原価率であるところ、極端に低い原価率であるという結果になりました。
「医療保険のホントの原価は?」「死亡保障保険のホントの原価は?」もしかすると、原価率の算出方法に間違いがある可能性があります。
誤解している箇所があれば、是非ご指摘ください。(アクチュアリーなどの資格をもった方からのご指摘を歓迎します。) 必要があれば、修正いたします。
【A社介護保険 原価の算出(秋桜児流)】
計算経過40歳の男女計1万人がそれぞれ「1口」契約し、99歳まで保険料を払うという前提で計算しました。
男性 保険料 1752円/月、女性 保険料 2568円/月、
所定の介護状態になった場合、受け取る給付金は、
・介護一時金(1回限り) 5万円
・介護年金(所定の介護状態期間中) 2万円/月
上記条件で、1万人の人が支払う保険料及び受け取る給付金で試算します。
A:1万人の人(40歳)が、生涯に支払う保険料 約89億円
(詳しい計算は省略しますが、第20回標準生命表
(男) 、
(女)に基づき、各年齢毎の生存者数に応じた99歳までの支払い保険料累計額としました。
B:40歳以上の人口 6773万4千人(H16年10月1日現在 推計人口)
(厚生労働省「平成16年人口動態統計月報年計(概数)の概況」
掲載データより)
C:公的介護保険による「要介護」認定者数 390万人(H16年5月末)
(厚生労働省
「介護保険制度の実施状況について」H16年8月末版)
D:公的介護保険における、要介護度別 認定者数(H16年5月末)
(厚生労働省
「介護保険制度の実施状況について」H16年8月末版)
・要支援 608千人
・要介護1 1,262千人
・要介護2 594千人
・要介護3 497千人
・要介護4 482千人
・要介護5 458千人
計 3,900千人
E:A社介護保険で、
・「介護一時金」が給付される条件
→公的介護保険「要介護1」程度 (「A社介護保険の特徴」より)
・「介護年金」が給付される条件
→公的介護保険「要介護3」相当以上と想定(「A社介護保険 要介護状態とは」より)
F:40歳以上の人が「要介護1」以上
の認定を受ける確率=D/B=4.86%(1万人中486人)
40歳以上の人が「要介護3」以上
の認定を受ける確率=D/B=2.12%(1万人中212人)
G:平均介護期間 3.5年
( H16年 生命保険文化センター
「生活保障に関する調査」 35ページ)
*どんな要介護度の人を介護した期間であるのかが不明であるが、16年調査時の平均介護期間「42ヶ月」を一応採用。(本調査は、漠然とした質問に対する回答を集計した調査結果が多いので、個人的には信頼をおいていないが、参考数値として今回は採用した。)
H:40歳の契約者1万人が、生涯のうちで、給付金を受ける見込み額(E,F,Gより)
・介護一時金→ 50千円×486人=24,299千円(2430万円)
・介護年金 → 20千円×12ヶ月×3.5年×212人=178,141千円(1億7800万円)
合計 202,441千円(2億244万円)
I:40歳の契約者1万人が、生涯のうちで、支払う保険料
(介護年金給付中は、保険料が免除されるため、それを考慮した支払い保険料)
・A=8,903,217千円(89億300万円)
・払込免除保険料(介護年金受給期間3.5年と想定)19,576千円
差引き合計保険料 8,863,641千円(88億6360万円)
J:原価率 H÷I=2.28%
*今回の原価率算定に用いたデータは、調査時期が異なっているものが混じっています。厳密な正確さには欠けるかもしれませんが、大まかな傾向について把握するには大きな支障はないと考えています。
【公的介護保険等に関するデータ(H16年)秋桜児調べ】客観的な数値をご覧いただき、『「介護状態になったらどうしますか?」などという保険営業員の脅し文句』に踊らされることなく、冷静な判断をする参考にしていただけたら幸いです。
・40歳〜64歳で要介護等認定を受ける確率 0.32% (G表)
・そのうち、要支援〜要介護2 までに認定されている人 0.32%×6割強 (D1表)
・要介護等認定者390万人中、90万人は公的介護サービスを利用していない。(D3表)
(公的介護サービスさえ、受ける必要がない"程度"であることが考えられる。)
なお、
公的介護保険の認定基準と民開介護保険の給付条件とは同じではありませんので公的介護保険での要介護認定を受けることができたからといって、民間介護保険の給付を受けることができるとは限らないことに注意が必要です。
(その逆に、民間介護保険の給付金を受給している人が公的介護保険の要介護認定を受けられないことは、非常に考えにくいですが)
例えば、民間介護保険に「回復の見込みがないこと」という給付条件があれば、一定期間中に重い介護状態になり要介護認定を受けられたとしても、回復の見込みがある場合にはその民間介護保険給付金は受給できません。
世の中の公的介護保険の要介護者がどんなに増えたとしても、それに比例して民間介護保険の受給者が増えるとは限りません。
「介護状態になったらどうしますか?」という脅し文句には、
・民間介護保険は、公的介護保険の給付を補うものと考えていますので、公的介護保険制度について教えてください。
・あなた(保険営業員)が勧める介護保険商品は、総額でいくらの保険料を払い、その結果、どんな時にどれほどの保障があるのですか?
・これまで、年間で、どれだけの人にどれほどの金額(給付金)を支払ってきましたか? それを確認できる資料も見せてください。
・あなた(保険営業員)自身は、その介護保険に加入していますか?
などと聞いてみましょう。
【本稿で使用した公的参考データ】
・
厚生労働省「介護保険制度の実施状況について」H16年8月末版・
厚生労働省「介護保険事業報告」平成16年5月」
・
厚生労働省「H16年 国民生活基礎調査」−性・年齢階級別にみた要介護者等の構成割合− ・
「H16年10月1日現在 推計人口」(総務省統計局) (厚生労働省「平成16年人口動態統計月報年計(概数)の概況より)(本稿で書かれた内容について、考え方に誤り等ある場合には、是非ご指摘ください。)
(参考)
「民間介護保険の微力(1)」「民間介護保険の微力(2)」「日経マネー DIGITAL 生命保険 第13回「介護保険の基本」」*************************
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ということなので一つ質問なんですが
前回のコメントは承認していただけないのですか?
忘れられているのですか?悲