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貯蓄代わりにもなる保険?-低解約返戻金型終身保険(2)

前回、低解約返戻金型終身保険(損保系生命保険会社T社が発売している、商品名:N)の特徴について、その概要を書きました。
今回以降、数回にわたって、その特徴をもう少し詳しく書いてみます。

今回は、
(1)解約する人を一定率で見込んでいるから従来型の終身保険に比べ保険料が安くなっている。
(2)払込期間中の解約返戻金を従来型の終身保険に比べ約70%に引き下げているから従来型の終身保険に比べ保険料が安くなっている。
について。


「商品名:N」は、予め予定解約率を見込み、払込期間の中途で解約した人の解約返戻金を引き下げることにより保険料を安くする仕組みのようです。(*1)

払込期間中の解約返戻金は、従来型終身保険の約70%に引き下げられています。ある時期の従来型終身保険の解約返戻金が200万円だとすると、「商品名:N」のそれは、140万円となる、という具合です。

ところで、保険契約をした人のうち、一定割合の人は中途で解約します。
保険料払込期間の中途で解約した人に支給する解約返戻金を従来型の70%に引き下げることにより、その差額を保険料収入に組み入れることとすれば、保険料を安くすることが可能だと思われます。

商品設計上、「商品名:N」では、中途解約する人の率を毎年3%~4%程度と見込んでいるのではないかと推測しています。(保険会社は、商品設計上は、安全側に数値を見込みます)
素人の発想で、ラフな試算をしてみました。(*0)
私の素人計算では、保険会社は「商品名:N」を中途解約する人の率を毎年4%弱を見込んでいるのではないか、という結果になりました。(*2)

「商品名:N」は、従来型に比べ、確かに保険料は若干割安ではありますが、その代わり中途解約が非常に不利な商品です。
低解約返戻金型終身保険を発売している、東京海上日動あんしん生命の資料を見ますと、毎年契約者数のおおよそ7%程度の人が契約中途で解約していると想定されます。(*3)
保険契約者のうち、毎年7%の人が解約するとしますと、30年後まで契約を継続する人は、当初契約者数の1割ほどになってしまう計算です。(*4)
別の言い方をすれば、9割の人たちが中途解約してしまう計算です。

ということは、「商品名:N」を契約した人たちでも、同程度に中途解約してしまうとしますと、従来型の70%に引き下げられた解約返戻金を受取る人が、全体の9割ほどになってしまうことが考えられます。
払込保険料総額の119.3%の解約返戻金(払込保険料総額613万円に対して、払込満了後の解約返戻金が732万円)を受取ることを夢見て加入した人のうち、30年後に訪れる払込満了期後にその夢を実現できる人は、全体の1割ほどの人だけ・・・・・?!

(私の素人計算では、毎年の解約者率7%と仮定した場合、「商品名:N」契約者全体で見ると、受取る解約返戻金は、平均すれば払込保険料を下回ることとなる。つまり、平均すれば「元本割れ」。(*5) )

そして、低解約返戻金型終身保険(商品名:N)を中途解約した人は、それまでの間、結果として非常に割高な死亡保障保険に加入していたことにもなるのです。
例えば、契約から10年で中途解約した場合は、同期間の「定期保険」に加入していた場合に比べ、約4倍の保険料を支払って死亡保障を買っていたことになるのです。(*6)

契約するときは、誰もが契約途中で解約しようなどとは考えないでしょう。しかし現実には、年7%程度の人が解約している可能性があるのです。
そして、その解約した理由は、「掛金を支払う余裕がなくなったから」、「まとまったお金が必要となって」というような理由をあげている人が結構いるのです。(*7)

だから、
低解約返戻金型終身保険に加入する人は、
①保険営業員のセールストークを鵜呑みにすることなく、
②どんな目的で加入するかが明確であり、
③子供の教育費がかさむようになるなどして、その払込保険料が生活費を圧迫するようになっても、保険料払込期間中は解約することがない、
人でないと、結果として損をすることになります。

あなたは、損する「9割」に入らない自信はありますか?

   -------------------

(*0)本稿において、私が「商品名:N」について行っている各種試算は、
「30歳、男性、保険金額1000万円、払込期間30年」という保険契約(平成22年2月現在)を前提として行っています。

(*1)
・アカラックス㈱ 坂本嘉輝氏「アクチュアリーの練習帳」2000年1月22日
・金融庁-2009年5月22日、保険の基本問題に関するワーキング・グループ(第52回)資料-「日本における生命保険契約の解約返戻金について」16ページ、上田泰史氏作成

(*2)「低解約返戻金型終身保険と従来型の終身保険との比較」・・・解約率を毎年3.75%と見込むと、保険会社は「商品名:N」で、従来型終身保険・保険料の収入とおおよそ同じ収入を得られるという計算結果となりました。
  なお、本表中「Y欄」は、本来「責任準備金」の差額の運用額を計算すべきだと思いますが、本表では責任準備金の一部である「解約返戻金」の差額を便宜上使用しています。

(*3)低解約返戻金型終身保険「商品名:長割り終身」を発売している、「東京海上日動あんしん生命の現状 2009-後編(業績・コーポレートデータ編)」83ページによると、死亡保険契約金額ベースでは、平成20年度解約・失効率は7.4%となっています。
また、同資料79ページによると、契約件数ベースでは解約・失効率が6.8%程度のようです。だとすると、30年後まで契約を継続する人は、約1割程度しか残らないことになります。
(参考データ:(*4)

(参考)生命保険文化センター-平成21年度「生命保険に関する全国実態調査」
「解約・失効の経験」・・・3年間でおよそ13%の人が解約経験があるということです。
「解約・失効までの継続期間」・・・保険を解約した人のうち、約50%の人が10年目までで解約しています。

・「解約者率の違いによる、継続契約者数の違い」(*4)・・・保険契約期間を30年と仮定した場合、累計解約者数が、10年目で 30年間解約者数の50%に達するのは、解約する人の割合を毎年5%と見込んだとき。
よって、上記「解約・失効までの継続期間」」と考え合わせますと、保険会社全体で見ると、実際の解約率は年5%程度とも考えられます。
(保険契約を考える人は30歳前後の人が多いと思われます。そのような人は保険期間を30年間(60歳まで)とする場合が多いのではないでしょうか。)

(*4)「解約者率の違いによる、継続契約者数の違い」

(*5)「低解約返戻金型終身保険/ 払込保険料と解約返戻金等との関係」

(*6)「低規約返戻金型終身保険 VS かぞくへの保険」

(*7)生命保険文化センター-平成21年度「生命保険に関する全国実態調査」
 「解約・失効の理由(複数回答)」

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☆当ブログ 関連記事☆ (H23.3.20追加記載)
「貯蓄代わりにもなる保険?-低解約返戻金型終身保険(1)」
「貯蓄代わりにもなる保険?-低解約返戻金型終身保険(2)」
「貯蓄代わりにもなる保険?-低解約返戻金型終身保険(3)」
「貯蓄代わりにもなる保険?-低解約返戻金型終身保険(4)」
「貯蓄代わりにもなる保険?-保険でなくても保険はできる」
「貯蓄代わりにもなる保険?-(まとめ)この世にお得な保険はない」

「低解約返戻金型終身保険」に横たわる"長くて深い谷"

「掛け捨てでない保険が良い?(1)」
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貯蓄目的で終身保険に加入したい
保険の貯蓄性という幻想
低解約返戻金型保険と定期預金、どちらが利殖に有利?

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「教育資金を貯める方法は保険が有効か?(2)」

アカウント型保険を終身保険に見直すべき?(57歳、男性)
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関連記事

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Re: お問合せ

2010-02-08コメントをお寄せくださった方へ

いつもご覧いただきまして有難うございます。

おっしゃるとおり、保険で保障してもらうくらいの預金をお持ちであれば、わざわざ保険料を払って保障してもらう必要などありません。

その預金者が不幸にもお亡くなりになっても、その預金は遺産として残ります。しかも利息まで付いて。1000万円までならノーリスクです。
預金で遺産を遺そうが、生命保険金で遺産を遺そうが、"お金"を遺すという意味では同じですね。

保険料(掛け金)には保険会社の手数料が必ず含まれています。必要もないのに手数料を払う必要はありませんよね。

多くの場合、すぐには遺すのに必要なお金を準備できないから、生命保険で準備する、というにすぎません。
お金(生命保険料)で時間を買っている、とも言えます。
必要な準備ができたら、保険とはさっさと縁を切れば良いと思います。

後田亨(うしろだ・とおる) さんと言う方も言っています。
「そもそも保険は、中高年が「卒業」を目指して活用すべきもの」
http://www.asahi.com/health/seiho/TKY200907230235.html

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2010-02-10コメントをお寄せくださった方

今後とも当ブログへのご訪問をお待ちしております。

No title

内情を知るものとしては、30年で9割が消滅という見積もりはおかしいし、解約すれば儲かるというのも変です。

解約・失効は契約後数年に集中し、その後は一気に減るためです。身の丈に合わない保険に加入した(させられた)人が脱落し、その後はほとんど解約しません。

実際、*4上のリンクからで3年以内の解約経験者が13%いるのがわかります。一方あんしん生命の保有契約平均は7.4%と指摘されていますね。

また*4下のリンクから解約・失効社の特徴は大規模都市、若年者、結婚~出産期、中流ど真ん中とわかります。
つまり最近の日本人はむやみやたらには解約しません。結婚を機に見直してあとはほったらかしです。

そして、早期脱落は会社も大損します。保険は販売時に最も経費がかかります。
また20年債と短期債では利回りも全く異なるし、頻繁に解約されたらALMが難しくなります。
早期脱落して儲かる保険なんて存在しませんよ。

No title

すみのいちやす さん

コメントありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ございません。

解約・失効率が7%という想定は、保険会社が商品別、経過年数別のデータを公開していないため、止む無く推定したものです。

ただ、私の推定にすぎませんが、以下のように考えています。
保険契約するのは、多くが30代であろうと思います。結婚、出産があり、保険について考え始める年代だと考えるからです。

契約してから、解約失効の1回目のピークは、契約早期であろうと思います。あまり深く考えずに保険契約してしまった人が、解約するのでしょう。

次のピークは、結婚、出産を控えて保険契約した人が、子どもの教育費に多額の出費が掛かってくる時期なのではないかと考えています。
それまでは、1万円程度の保険料にも何とか耐えられたが、子どもの教育費が掛かるようになると、節約の対象になるのが、まず生命保険料ではないかと考えるからです。

仮に、保険料払込期間を平均した解約失効率が5%としても、30年後まで継続する人は契約時の20%と人たちに過ぎない計算です。

脱落する人ばかりで、新規に契約する人が少なければ、もちろん保険会社は全体としては儲けが少なくなるでしょう。

しかし、保険料払込期間中の解約返戻金を、通常の終身保険の70%に設定している低解約返戻金型終身保険の場合には、計算上、解約失効率が高いほど、既存契約での儲けが大きくなる計算です。
http://ucosmos.blog95.fc2.com/blog-entry-280.html

このことは、ある方からも、保険の専門家に聞いた結果、私の計算した傾向なる、と聞きました。

すみのいちやす さんがお勤めの生命保険会社にいらっしゃるアクチュアリーの方に確認してみていただけますか?


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秋桜児

Author:秋桜児
初めて生命保険を契約してから○十年。
営業員に勧められるがままに保険契約してはいけないと分かってから、○年。
自分の二の舞になって欲しくないと願っている、妻子持ちの中年サラリーマン。
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